NHK『ニュース富山人』の取材を受けました。

能登半島地震で、一緒に暮らしておられる動物たちとともに被災された氷見市のご家族がおられました。その方たちの動物同行避難・動物同伴避難をサポートしてほしいというご相談があり、皆さんと動物たちをピース・アニマルズ・ホームの関連施設にご案内し、1月初旬頃から1週間ほどそこですごしていただきました(※)。
その時の様子などについてNHKから取材がありました。その取材内容を含む番組が2月13日のNHK『ニュース富山人』で、「ペットと避難した家族から見る現状と課題支援に向けて動き出した取り組みをリポート」というタイトルで報じられます。番組は、NHKの番組配信サービス『NHKプラス』でも、2月20日午後6時59分まで視聴可能です(NHKプラスの利用登録が必要です)。

追記(2024年2月14日): NHK富山放送局のウェブサイト内の「よむ富山人」のコーナーに、今回の番組内容が詳細に記事化され、掲載されています。
能登半島地震~ペットとの避難は~

『ニュース富山人』にピース・アニマルズ・ホームが出るのはこれが2度目です。
前回は2020年8月の放送で、ピース・アニマルズ・ホームの末広坂サテライト前からの中継という形で、今回と同じくNHK富山放送局の岩﨑果歩アナウンサーが取材を担当されました。
その時の放送内容は「災害発生! ペットはどうする?」と題されており、9月1日の「防災の日」を前に、富山県内の動物同行避難について考えるものとなっていました。
災害に対し、動物保護の観点から、行政、住民の皆さん、動物保護団体・ボランティアがそれぞれ準備・対応すべきことがあります。
2020年の「災害発生! ペットはどうする?」で私たちは、動物保護団体が行う災害への備えとして、啓発活動(啓発ポスターや動物同行避難時に役に立つものの掲示など)や備蓄品(動物たちのフードやトイレシーツ、逸走した動物を保護するための捕獲機など)の紹介をしました。
動物たちと避難所へ一緒に避難すると、動物たちはケージやキャリーなどの中ですごす可能性が高くなります。そうした状況に備えて、動物と暮らしておられる皆さんには、動物たちがケージ内にいても強いストレスを感じずに済むように、たとえばクレートトレーニングのような、動物たちがケージに慣れ親しむことができる接し方を日頃からしてほしいということもお伝えしました。

番組の冒頭には、富山県内の自治体の動物同行避難態勢に関するアンケート結果が示されていました。2020年の時点で、「ペットを受け入れる避難所を決めているかどうか」をNHKが富山県内の15市町村に電話取材して尋ねたところ、「具体的に決めていないと答えた自治体が14」、「ペットを受け入れ可能な避難所はないと答えたところも1つ」あったとのことです。
そして、「ペットとの避難について先進的な取り組みを進めている自治体」の例として、当時建設中であった広島県熊野町の「地域防災センター」が紹介されていました。
2018年7月の豪雨災害の際、避難所内で動物がいる場所を事前に決めていなかったために避難者の間でトラブルが生じたという経験から、新しく建設される防災センターでは、たとえば一般の避難者と動物同行避難者のそれぞれの居住空間への動線をあらかじめ分けるというような、「ペットが一緒でも躊躇せず避難できる仕組み」が計画されているとのお話でした。
建設計画中は「東部地域防災センター」と仮称されていたこの施設は2021年5月に「熊野東防災交流センター」として完成し、熊野町のウェブサイトで「緊急時には避難場所として”ペットの同行避難”や”乳幼児のいる世帯への配慮”を兼ね備えた施設」であると紹介されています。

熊野町のウェブサイトには『熊野東防災交流センター記録誌』という資料集が置かれています。『熊野東防災交流センター記録誌』の「基本設計案」の箇所にある平面図には「外部から直接アクセスすることが可能」な「ペット同伴避難エリア」が示され、「ペット同伴で避難できる防災センターを実現するため、ペットの避難に詳しい専門家からの意見ヒアリングも踏まえ、部屋の仕上げや、水場や出入り口の位置なども調整されました」と記されています。平面図には「乳幼児世帯エリア」や「特別な配慮が必要な避難者が利用する」「特別配慮避難エリア」なども示されています。

あらかじめこのような形で避難所となる施設を区分けし、示しておくことで、震災が発生しても、他の避難者に迷惑がかかるのではないかと避難所に行くことを拒んだり躊躇ったりするような思いを抱かせることなく、速やかに住民の皆さんを避難所へ促すことが可能となるように思います。
このようにエリアが明示されることで、私たちの周りには多様な暮らし方をしている人たちがいて、避難所は様々な暮らし方をしていたり多様な属性を備えていたりする住人・世帯が1か所に集まるところであり、危機的状況を乗り越えるためにはお互いに配慮することや、事前に可能なことであれば準備をしておくことが大切であるということもあらためて認識させられます。

能登半島地震では、母屋が倒壊しているのに、おそらく犬と猫と暮らしていたため避難所に行かず、納屋で避難生活をしておられた方が焼死する痛ましい出来事が起きました。様々な理由で避難所に入ることができず、リスクの大きな車中泊を動物たちと続けている方たちもおられます。
2020年の放送では、中継の締めくくりとして岩崎アナウンサーが「ペットと一緒に避難できる場所を整備することは、その飼い主の命を救うことにもつながります」と述べておられました。能登半島地震を経験した今、あらためてその言葉を重く受けとめています。

今回、再び動物との避難のあり方にフォーカスした『ニュース富山人』の番組内容は私たちもまだ見ていないのですが、この番組も手掛かりとして、何ができるか、何をすべきかを考え、できることから行ってゆこうと考えています。

※この時の動物同伴避難のサポートについては、ピース・アニマルズ・ホームの公式インスタグラムでふれています。

災害時の動物同行避難・動物同伴避難については、NHK『解説委員室』の公式サイト内でも、能登半島地震を踏まえ、現状の課題や動物と暮らす人たちがすべき備えなどにもふれた記事が公開されています。
能登半島地震 災害時にペットは?同行避難・犬猫の一時預かりは?

追記(2024年2月18日):能登半島地震の後、動物たちとの避難に関する報道が増えています。
2月14日の『ニュース富山人』では「能登半島地震の教訓をいかす」と題された報告の中で、2月3日に愛知県尾張旭市で行われた動物たちとの「同室避難」の「実証実験」について報じられました。この実証実験では、動物たちをケージに入れることができるか、動物たちが飼い主と離れてもおとなしく待てるかなどが確認されたようです。
この報告では、石川県輪島市と災害時の相互応援協定を結んでいる尾張旭市から輪島市に派遣されていた職員の方が輪島市から戻った後、備蓄品の見直しを行う中で、「避難生活が長くなると、ペット問題というのは浮き彫りになってきますので、尾張旭の方でも早急に取り組むべき課題のひとつかなと」と述べられる様子や、「ペット用品の備蓄も始める予定」であることなども報じられていました。
NHKプラスの見逃し配信では2月14日の『ニュース富山人』の午後6時41分頃からこの報告を見ることができます(この動画の配信期限は2月21日午後6時59分までです)。

2月15日には富山市で、富山県の行政職員、富山県獣医師会会員、富山県動物愛護推進員などを対象とした「ペットの災害対策研修会」が開催され、ピース・アニマルズ・ホームも参加しました。講師を務められたのはNPO法人アナイス代表の平井潤子さんです。様々な大規模災害発生時に被災地で救援活動・調査に携わられたことから得られた教訓や能登半島地震で起きていることなども踏まえられた、とても具体的で実践的な講義内容でした。今回学んだことはこれからの対策に生かしたいと考えています。
この研修会の様子は2月16日にNHKでも報じられました。
ペットと避難したい被災者どう支援するか学ぶ講習会 富山

避難所でのペットの対応方法を学ぶ