2016年

5月

26日

フレンチ・ブルドッグの里親報告を頂きました。

ピース・アニマルズ・ホームに入所していた高齢犬の里親さんから報告と写真を頂きましたのでご紹介します。

ピース・アニマルズ・ホームに入所している動物の中には、様々な所以をもったものもいます。フレンチ・ブルドッグのノエルもそのような経歴の持ち主です。
犬や猫は愛玩動物=ペットではなく、私たちと共に生きるコンパニオン・アニマルであるという認識も広まりつつありますが、動物保護の現場では商品として扱われ、人間の思惑や利害関係に絡められ、結果的に様々な問題を背負わされ苦しむ動物に多く遭遇します。
飼い主=所有者が、精神的・肉体的、経済的理由などで動物を適切に管理することが困難となり、ネグレクトやコントロールされていない繁殖など、虐待に相当する扱いが動物たちになされ、本人と動物のために、動物の一時的な入所や、里親のなり手が見つかるまでの入所が、依頼人からピース・アニマルズ・ホームに要請されることがあります。
動物の入所は短期的か長期的か、入所中に譲渡対象として里親を探すのかどうかなど、まず依頼人とその関係者の間でそうした事情や問題が整理されてからレスキューや入所依頼がなされれば、私たちは動物の保護だけに集中できてよいのですが、動物が生命に関わる劣悪な状況・条件下で苦しんでいて猶予のない場合、そうした問題はとりあえず留保し、まず最優先に動物たちの安全を確保しつつ、問題の原因や事情の解消に向けて私たちも含めて関係者が動くという流れになります。保護活動の着手から入所手続きがすべて完了するまでにも様々な問題は発生します。

詳細を記すことは出来ませんが、ノエルはこうした問題が極めて複雑化した難しいケースで、市当局の協力・指導を受けながらも、ノエルと一緒に保護した動物たちのケアだけでなく、法的な係争、関係者の思惑や感情のもつれ、そこから生じる威嚇的・暴力的な行動にも対処しなければなりませんでした。
動物を守りつつ、更なるトラブルが支援者や関係者に及ばないように配慮しながら対処し、レスキューの原因となった問題は一先ず落ち着いたといえるものの、そこに至るまでの年月は長く、ノエル、そして彼女と一緒に保護したフレンチ・ブルドッグたちも年をとりました。
保護時、血統的にも良いと言われていたノエルは賢く、甘えん坊ですが、それ故に、このまま施設で一生を終えるのはノエルにとって良いことなのかどうか葛藤することもありました。しかし高齢で、フレンチ・ブルドッグ特有の飼養の難しさもあり、安易な譲渡は控えなければなりませんでした。


石川ドッグレスキューさんから紹介された里親さんに、ノエルをお任せするすることになりましたが、その理由は里親さんにフレンチブルドッグの飼養経験があり、また比較的遠方からのお迎えとなりますが、ノエルの体調を第一に考えて引き受けの日程や手続きを慎重に調整されるなど、譲渡手続きの初期の段階から保護動物や高齢犬に理解と知識があることがわかり、ノエルにまつわる諸事情も十分に理解しておられ、ノエルをお任せしても大丈夫であり、ノエルは幸せになると確信できたからです。譲渡後もノエルの体調や暮らしぶりについて詳細な報告を定期的に頂いています。獣医師と綿密な連携をとり、様子や体調をよく見て、どうすればノエルが心地よく暮らせるかと日々配慮されているのがわかります。
このケースに着手してから長くかかりましたが、ノエルがこうして穏やかな日々をすごせるようになったことを嬉しく思います。

ノエルの他にも、ピース・アニマルズ・ホームでは高齢であったり、疾病を抱えた犬猫の譲渡が多く成立しています。
動物を探している人にはペットショップだけでなく、動物を保護している人達や団体から迎え入れるという選択肢を考えて欲しいと先の里親報告で述べましたが、その場合も、仔犬・仔猫だけでなく成犬・成猫、そして何らかの疾患を抱えた動物たちであっても家庭に迎えるという選択肢を考えて欲しいと思います。また、既にそのように、そうした動物たちを受け入れた方達には、それをウェブやSNS、投書、口コミなど、様々な形で発信し、多くの人達に伝えて欲しいとも思います。
ボランティア団体などを通じて動物を家族として受け入れる、仔犬・仔猫だけでなく成犬・成猫も、疾病を抱えていても迎え入れ、共に生きる。こうした文化やライフスタイルを地道に育てて定着させることで、商業主義的な繁殖や一時的で病的なペットブーム、それに起因する遺棄・虐待を減らし、人間と動物のより良い社会を築けるのではないかと私たちは考えますし、困難であるとしてもサポートしあいながら、そのような社会の実現に向けて努力し続けることが私たちの使命であると考えています。